2024-03-15 2024.3.15 近所を散歩してみる。雨なのに。 気になるお店もカフェもない。住宅が続くだけの道。小学生の時に通ったピアノ教室や犬のいた庭、柿を盗んだ家。時間が流れて、私だけが今ここにいる。 「どれくらい生きるつもりで生きているんですか」 私は道行く人に尋ねてみる。誰もが顔を傾げる。そりゃそうだよね。明日にでも死ぬかもしれないし、あと五十年生きるかもしれない。分からないんだ。 私は一ヶ月を生きるつもりで生きている。春の陽気が消えないうちに。夏の暑さが来る前に。私の人生の賞味期限はあと一ヶ月だ。